| ◆第43回 文部科学大臣賞
〔1〕文部科学大臣賞作品についての講評
1.作文の部 審査委員長 矢口 実
「初めの一歩踏み出せたなら」千葉県・昭和学院秀英中学校3年 渡邊 大裕さんの作品
渡邊大裕くんの作品は、表現力が豊かで素直にのびのびと書かれています。気づいてもなかなか行動に移せない場面がたくさんある中で、その時々の思いがよく描かれていて、たくさんの人たちに読んでほしい作品です。冒頭の、電車内での少年との出会いの部分が冗漫になっていますが、従弟との日常のふれ合いを通して感じたことなど、具体例を取り上げながら展開しているので説得力があり、終末の表現も秀逸です。
2.詩歌の部 審査委員長 矢口 実
「チェリーピンク」東京都足立区立第十一中学校3年 小櫃 明莉さんの作品
小櫃明莉さんの詩は、携帯電話のメールの送信について、思春期の揺れる乙女心をユーモラスに描いていて秀逸な表現力です。メールを送信しようとしているお相手は誰なのだろうかと気になってしまう内容です。題名も工夫されていて印象的です。
3.歌曲の部 審査委員長 原田 徹
「森とともに」福島市立福島第二中学校2年 岡 秀美さんの作品
特選入賞おめでとうございます。この作品の秀逸さは特選にふさわしく、審査員一同、大変感銘を受けました。心より敬意を表します。
さて、この曲の素晴らしさは何といっても歌詞の美しさとその旋律の豊かさにあります。作詞者でもある岡さんは、自然への愛情を素直な歌詞で表現していますが、旋律の動きと歌詞の表現したい内容が一致しており、審査会議でも「言いたいことがわかる」作品であるという感想が多く出されました。全体には静かに流れるような美しい旋律でありながら、曲の盛り上がる部分には強い意志を感じさせるようなメロディが置かれた感性豊かな作品です。構成もしっかりしており、作曲者の力量が十分にうかがえる作品でした。
〔2〕文部科学大臣賞受賞者の言葉
1.作文の部 渡邊 大裕
「違いを認めて共に生きるということ」
いつもなら、違う時間の電車に乗るはずの僕が偶然出会った親子。最初その子供を見ている僕の目は、障害をもった僕の可愛い従弟のことを冷たく見たあのおばさんと同じだったことに気づきました。自分への嫌悪感や罪悪感を感じながら過ごした地元の駅までの電車の時間。その子に障害があると気づいたとき、周りの人の心ではなく、その父親の気持ちを理解している僕がいました。きっと僕の従弟のことをみんなわかってくれる。受け入れてくれる、そんな願いを込めて書きました。
そして「違いを認めて共に生きる」という僕のクラスの学級訓を僕なりに理解して実行していきたいです。従弟がいつの日か、みんなと同じように大人になり、社会に溶け込める世の中に、まず僕自身の小さな事から変える。
これが僕の今の志です。
素直な気持ちで書きましたが、思いがけず大きな賞をいただいてとても感激しています。ありがとうございました。
2.詩歌の部 小櫃 明莉
「驚きの受賞」
私はもともと、恋愛小説や少女漫画、片想いの恋を歌った曲などが好きで、自分もいつか書いてみたいと思っていました。
一昨年の夏休みの宿題をきっかけに詩を書き始めました。初めは思いついたものを書いているだけでした。けれど、一度友達に見せてからは「共感してほしい」という気持ちが強くなり、もっと友達に共感してもらえるような詩を書きたいと思ったのです。
この「チェリーピンク」という詩は私と同じ歳くらいの人はだいたい持っていると思われる携帯が中心になっています。好きな人とメールしたらすごい緊張するだろうとか、好きな人は特別な着メロにするするだろうと考えたら、今は恋愛に携帯は大事なものではないか、と思ったのです。なのでこの詩は携帯を中心にした恋の詩であり、題名は携帯の着信イルミネーションのチェリーピンクを、恋のイメージにあてはめてみました。
今回自分が書いた詩が表彰されて、恥ずかしい気持ちもありますが、とてもうれしいです。誰かの目にとまるような詩を書けるように頑張っていきたいです。
3.歌曲の部 岡 秀美
テーマ「地球環境」
私は小学校六年生までピアノを習っていたこともあり、直感で浮かんだメロディーを音符にすることに抵抗はありませんでした。そこで、今年の夏休み作曲にチャレンジしようと考え、全国中学生文芸作品・歌曲創作コンクールがあることを知りました。
今回の作品を作るにあたって一番苦労したことは作詞でした。詩を書くことは、曲のように簡単ではありませんでした。そこで、私はテーマを決めることを思いつきました。テーマが決まれば統一性も、曲の感じも必然的に決まるのではないかと考え、早速テーマを決めました。そのテーマが「環境問題」でした。森や自然との共存について思いつく言葉をピックアップし、まとめました。その結果、メロディーも満足のいくものに仕上げることができました。
今回、私の活動を応援してくださった先生や友達にはとても感謝しています。思いもかけずこのようなすばらしい賞をいただけたことをとてもうれしく思っています。ありがとうございました。
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